運用について

運用プロセス

コムジェストの運用プロセスは、ボトムアップ型の銘柄選択に重点を置いており、
その銘柄の採用に当たってはベンチマークの制約を受けません。
国別配分やセクター配分などの資産配分は行っておりません。
運用チームは、5年間の投資時間軸で見て、2桁台の年率EPS成長率を安定的に達成できる
ポートフォリオの構築を目指しています。
これを達成するため、以下の5つのステップで構成される運用プロセスを採用しています。


STEP1
潜在的な投資銘柄のスクリーニング

投資プロセスの最初のステップは、投資対象地域に拠点を置く企業若しくは、対象地域で事業活動を行っている企業で、下記の項目の基準を満たしている企業を探すことです。


ビジネスモデル:透明性、経常利益、価格決定力、顧客/サプライヤーの集中度

参入障壁:ブランド/フランチャイズ、特許、恒久的なノウハウ、切り替えコスト、顧客ロイヤルティ、スケールメリット

持続性:人材&企業カルチャー、環境、社会的効用、政治/規制リスク

マネジメント:業界に対するビジョン、コミュニケーション、インテグリティ(誠実さ)、コーポレート・ガバナンス

オーガニックグロース(本業の成長性):地理的拡大、商品の充実、成長市場、イノベーション

財務基準:大幅な収益拡大を達成する能力(EPSおよび配当の成長率が10%以上)、株主資本利益率(ROE)が15%以上、高いキャッシュフロー創出力、資本コストを上回る資本収益率、健全なバランスシート、低い負債比率、同業他社平均を上回る粗利益率


このスクリーニングは、ポートフォリオマネージャーによる分析の他、セルサイド提供の分析結果、企業とのミーティング、業界その他の情報の検討、他のスクリーニングツールの適宜利用などを通じて、適宜実践しています。

STEP2
候補銘柄の詳細な分析

コムジェストの「クオリティグロース(質の高い成長)水準」に達しているかを評価するプロセスは厳格で、確信度を高めるために欠かせないプロセスです。このプロセスは長期間に及ぶことも多くあります。
ステップ1で絞られた投資の候補となる銘柄のリストを用いて、以下の作業を行います。


企業、競争力、市場、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの要因に関するファンダメンタル分析

定性的分析と当社独自の向こう5年間のEPS予想を通じて潜在成長力を評価

企業経営陣、競合他社、サプライヤー、顧客、業界専門家との面談

チームの週次リサーチ・ミーティングにおける検討・議論

問題となる企業活動を特定


内部リサーチは、運用プロセスで重要な位置を占めており、スタッフはこれに大半の時間を費やしています。また可能な限り企業訪問を行うよう努めています。内部リサーチの主な情報源としては、企業幹部との対面での会議や電話、企業の年次・四半期報告書などの資料、各種展示会への出席、競合企業やサプライヤーとの会合が含まれます。また各運用チームは、特定の産業や競争環境などに関する調査結果を比較・検討するため、コムジェストの他地域の運用チーム・メンバーとの情報交換も頻繁に行っています。


外部リサーチは、分析プロセスにおいて補完的な役割を果たしています。企業関連のリサーチの初期段階では、特定の産業、生産プロセス、そのほか企業特有の部分への理解を深めるため、しばしばセルサイドのリサーチを活用します。より専門的な分野においては、業界コンサルタントからの助力を得ることもあります。コムジェストが外部リサーチの提供元を選定するにあたっては、セルサイドおよび業界アナリストの独立性や長期トレンドの予測能力などが重要な基準となります。さらにコムジェスト自身は経済予測を行いませんが、経済予測を中核業務としている多数の第三者機関から情報を入手しています。

STEP3
投資ユニバースの選定

チームは常時、投資可能な厳選したクオリティグロース銘柄から成る投資ユニバースを管理しています。これらは厳格なプロセスを経て選定され、いずれポートフォリオに組み入れられる可能性のある銘柄群です。投資ユニバースの選定プロセスは以下の通りです。


徹底的な企業分析、特に成長性とそのクオリティの面に関する最終的な評価を実施

投資ユニバースへの組み入れ決定には、チーム・メンバー全員の賛成が必要(週次のリサーチ・ミーティングにて検討)

継続的なモニタリングとエンゲージメント(投資先企業との対話)


チームで組み入れ決定に必要な確信を高めるべく、チームでユニバースの候補銘柄に関する分析、検討、徹底的な議論を行います。また、エマージング市場への投資においては特に、誠実な経営かどうか、少数株主を尊重しているか、情報の信頼性と透明性があるかを注意深く調査します。

STEP4
バリュエーション

チームは投資ユニバースのすべての銘柄を評価するため、以下の要素を慎重に予測し、収益・配当割引モデル(対象期間5年)を作成します。


独自予想による向こう5年間の収益・配当予想

5年後のPER(株価収益率)

割引率=無リスク金利(国債/地方債の利回り)+株式のリスク・プレミアム+銘柄固有のリスク要因(ビジネスモデルやESG面のリスク水準)

バリュエーション指標のクロスチェック:PER(株価収益率)、PEGレシオ(PER/EPS成長率)、NAV倍率(株価/純資産価値)、PBR(株価純資産倍率)、EV/EBITDA倍率(企業価値/利払い・税引き・償却前利益)、フリーキャッシュフロー利回り(フリーキャッシュフロー/株価)など


これらのパラメーターについては、チーム全員の意見が一致するまで慎重に検討を重ねます。また各企業を担当するアナリストが定期的に数値を検証・更新します。

STEP5
ポートフォリオ構築

チームの議論に基づき、主任ポートフォリオマネージャーが投資ユニバースから銘柄を選定、各銘柄の相対的な魅力度(リスク・リターン特性)に応じて配分を決定し、通常25-50銘柄で構築されます。


買付

ポートフォリオへの組み入れが可能な銘柄は、投資ユニバース内に存在する銘柄のみです。
ポートフォリオに新たな銘柄を組み入れる際は、確信度の高まりに応じて徐々に買付を進め、通常は配分比率1%から組み入れを開始します。すでに熟知している銘柄、あるいは過去に保有経験のある銘柄を組み入れる場合は、より速いペースでより大きなポジションを構築することも可能です。
個別銘柄の配分に関しては、リスク管理が一定の役割を果たすこともあります。十分な流動性を維持するため、リスク・マネージャーが組入比率を一定以下に抑える決定を下す場合などです。


売却

以下の場合は、ポジションを売却または削減することができます。

株価水準(バリュエーション)の妙味が失われたとき(例えば、当社独自の株価評価モデルに基づき、上値余地が限定的と判断される場合)

銘柄のファンダメンタルズに変化が生じたとき(ビジネスモデルの変更、変革期間が長引くことによる利益成長への悪影響、不透明な経営慣行の存在など)

リスク調整後ベースで見て大幅な上値余地があると判断された銘柄と入れ替えを行う場合


ポートフォリオ構築時の主なポイント

ベンチマークの制約を受けない

チーム内での検討に基づき、主任ポートフォリオマネージャーが決定

ポジション規模:組入比率は通常、1~9%

以下の図に示す通り、「可視性」、「バリュエーション」、「成長力」の3つの要素が、組入銘柄の相対的な妙味を決定するカギであり、ポートフォリオの配分比率に影響を及ぼします。

業績の可視性、収益の成長性、株価上昇余地の最も高い銘柄のウェイトを最大とします。
リスク分散は、地域、事業活動、市場、為替などの要因を考慮し、(インデックスとの対比ではなく)個別銘柄レベルで検討します。
個別銘柄レベルのリスクだけでなく、ポートフォリオ構築時のリスクを抑制するため、マクロ・リサーチを活用します。
コムジェストの戦略では、常時、フルインベストメントとすることを目指しており、キャッシュ保有比率は5%前後としています。
徹底的なリサーチ、深い知見、長期にわたる集中的な取り組みは、銘柄の集中度が比較的高く、回転率(銘柄の入れ替え頻度)の低いポートフォリオの構築につながります。


継続的なモニタリング

運用チームは、頻繁な実地調査を通じてポートフォリオ構成銘柄のビジネスモデルを常時モニタリングしています。また主に個別銘柄の向こう5年間のEPSに影響し得る要素を特定し、これに基づいてリスク評価を行っています。
株式の流動性とコムジェスト全体での保有比率については、リスク・マネージャーが監視しています。
このような選定基準の適用によって、通常より外部イベントの影響を受けにくいポートフォリオの構築が可能になると考えています。